昔の戸籍法
相続登記の仕事をしていると、とても古い戸籍を見ることがあります。最近驚いたのは、文化文政年間に生まれた方々の戸籍謄本を目にした時です。文化文政年間といえば、1804年から1830年の間で、江戸で商人文化が花開いた時代です。当然、この方々が生まれた時代には戸籍法も戸籍謄本もなかったわけですから、明治時代の初期に当時あった記録や聞き取り調査によってまとめられたものだと思います。日本で最初に作られた戸籍法は江戸時代の社会慣習を強く反映したものだったものと思われます。戸主が一族を束ねて、戸主を継がない子が独立するときは、戸主の戸籍から出て新しい戸主として分家を作るというのは、江戸時代の風習だと思います。また隠居というのは、生前に家督を子供に譲った元戸主のことになります。現代では相続は死亡後にしかできないので、生前に財産を譲り渡す場合には、相続ではなく生前贈与という言葉を使います。しかし、昔の戸籍法ではすべての財産を譲り渡して隠居することで、生前に、子に戸主を引き継がせることができました。このような家督相続は、死亡後には当然に起こりますが、生前にも戸主の意志で行うことが可能だった点が、現代の戸籍法と大きく異なっているところです。核家族化の進んだ現代の相続と、一族すべてを束ねる当時の戸主の家督相続では、家を引き継ぐことの重みが段違いに違うように感じます。
2025年12月16日 15:43

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