相続登記の義務化について
この4月から相続登記が義務化されます。これは、不動産の権利関係を正しく公示することで取引の安全を確保しようという、不動産登記法の理念を実現する措置かと思います。所有者不明土地の面積が九州と同じほどに大きくなってしまった深刻な現況、登記名義を放置している不動産の特定やその推定相続人への請求が可能になった状況に鑑みて、法改正の機が熟したということだと理解しています。私は登記申請の代理をする立場であることを別にしても、この義務化は日本国経済に資する重要な法改正だと思っています。しかしながら、登記申請の依頼をされる方々の中には、あまり面白くないと思われている方もいらっしゃいます。やはり個別の案件では、利用価値のない不動産、資産価値の低い不動産にコストをかけて登記名義の移転をしなくてはならない場合も少なくありません。大局的にみると有用であっても、法改正は網羅的にすべての名義移転を強制するこちになりますので、実際には残念な思いをされる方々もでてくるということですね。これに対して司法書士として何かできることはないのですが、遺産相続というのはすべてを承継することなので、ご先祖様に代わり承継不動産への責任を果たすという気持ちで臨んでいただけたらと思います。
2024年03月27日 14:35
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