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遺言書 その1

 相続登記においては、遺言書を提出して法定相続分と異なる所有権移転登記を申請することができます。例外はあるものの、通常利用される遺言書の形式は2種類あって、ひとつは公正証書遺言、もうひとつは自筆証書遺言になります。これから遺言書の作成をお考えの方は、両者の違いを知っておかれるとよいと思います。
公正証書遺言は、公証人役場で公証人が本人に口授し、二人以上の証人の立会を必要とする非常に信頼度の高い遺言書になります。この方法の優れている部分は、本人がお亡くなりになった後で遺言の紛失の心配がないこと、裁判所による検認手続が不要なこと、法定要件を満たさないおそれがないことです。問題点は費用が高くなってしまうことですね。遺産が大きくて相続人間に争いが予見される場合にのみお勧めできる方法です。
自筆証書遺言は、遺言者が自筆で記載するものです。この方法の優れている点は、簡単に作成できることと費用が安くあがることです。問題点はお亡くなりになった後に、遺言書が日の目を見ない可能性があること、法定要件を満たさない遺言を書いてしまった場合に効力がないこと、裁判所の検認手続が必要なことです。このように書くと不安になられるかもしれませんが、当司法書士はこの自筆証書遺言をお勧めします。その理由は、遺言書の作成の原文を司法書士に依頼されれば、法定要件の問題は回避できますし、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用すると、裁判所の検認手続が免除されるとともに、遺言書が闇に葬られることもなく必ず日の目をみるからです。自筆証書遺言保管制度については、後日説明させていただきます。
 
2024年01月30日 08:28

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