簡裁訴訟代理認定司法書士
司法書士は、訴額制限があるものの簡易裁判所の訴訟について、依頼人の代理人として法廷に立つことができます。この司法書士の簡裁訴訟代理権が法定されるまでには、紆余曲折があったようですが、歴史的な司法書士の業務の実態と社会的な要請にかなうことから認められています。ただし司法書士の場合は弁護士とは異なり、司法書士試験に合格して司法書士登録をするだけでは、当然にこの簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができません。司法書士法は、司法書士が100時間以上の特別研修を受け、なおかつ簡裁訴訟代理等関係業務認定能力考査試験に合格することを代理人資格付与の条件としています。そのようなわけで、通常司法書士試験に合格した人は、次の年度に特別研修と認定能力考査試験を受ける場合が多いです。試験は司法書士試験と比べれば、時間も十分あって範囲が狭いので難しくはありません。しかし、約1か月にわたる特別研修は結構な負担になります。内容は半分がズーム研修で半分が、高裁所在地の都市での実地研修です。講義を受けたり、裁判の傍聴をしたり、準備書面をチームで作って裁判ゲームをやったり、中々盛沢山の内容で楽しかった記憶があります。最終日に講義を担当された弁護士の先生のひとりが「最後は自分自身とバッジを守ってください!」とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。顧客本位であっても、一線を踏み越えてはいけないという戒めですね。肝に銘じたいものです。
2024年01月22日 14:37
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