日本の戸籍制度
戸籍制度というのは、人の生死や家族関係を記録する日本国の非常に優れた制度だと思います。近代的な戸籍制度は、明治5年に作られた壬申戸籍が最初で、その後何度かの改定を経て現在の戸籍制度になっています。戸籍謄本は相続に関する手続においては、もっとも重要な書面で、この公文書によって相続人が特定されて権利の承継が可能になっているのです。ところが海外の国々では、必ずしも日本と同等の情報量を持った戸籍制度がありません。婚姻証明書、死亡証明書、養子縁組証明書など、個別の証明書の請求は可能なのですが、家族関係を完全に網羅した戸籍と比べると、日本国の法定要件を満たさない場合が多いのです。つまり、外国人の相続人や被相続人が関与する相続手続には、足りない情報を補完する特別な情報の提供が必要になるということです。司法書士という仕事で海外とつながりが生じるというのは、一般的にはイメージしにくいことだと思いますが、たまにはあるんですね。世界は思ったよりも狭くて、米子市も世界に開けているわけです。
2023年10月25日 08:32
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